これからますます深まっていく秋。
旬の食材を見ていると、さらに強く感じることができます。
季節とともに体に必要なものも変わってきます。
それは、人間もワンちゃんも同じです。
旬の食材には、その季節に必要な栄養素がつまっています。
夏から秋へ。秋から冬へ。
いくつもの季節が混じる10月に、ぜひ食べてもらいたい食材をご紹介いたします。
●山芋
縄文時代から食べられ、「山の薬」と呼ばれている山芋。
芋類の中でも栄養価はピカイチです。
山芋といえば、「ねばねばした食感」が特徴ですよね。
ねばねば成分に含まれる「ムチン」は、胃の粘膜を保護してくれる効果があります。
また、山芋の中に多く含まれる「アルギニン」は、血管を拡張する作用や腫瘍の進行を遅らせる効果があると言われています。
ワンちゃんを病気から守ってくれる山芋。しかし、与えないほうがいい場合もあります。
アトピー性皮膚炎、腎疾患、尿路結石、腎臓結石を患っているワンちゃんは、山芋を食べることで症状が悪化してしまう可能性がありますので、注意が必要です。
また、「山芋を食べると痒がる」というワンちゃんもいるかもしれません。
痒みの原因は、山芋の皮の周りに多く含まれるシュウ酸カルシウム結晶です。針のようなかたちをしている結晶で、皮膚を刺激するのです。
予防策としては、調理の前にレモン水、または酢水につけておくこと。
シュウ酸カルシウム結晶は、酸によって溶ける性質があります。
ぜひ試してみてくださいね。
●エリンギ
秋に楽しむ旬の食材といえば、「きのこ」ですよね。
日本に自生しているきのこは、食用として食べることができるものだけでも、4~500種類前後もあると言われて
います。市場に出回っているきのこだけでも、15~20種類ほど。
種類の豊富さは、身近な食材の中でもダントツです。
その中で、9月~1月にかけて旬を迎えるのがエリンギです。
エリンギといえば「豊富に含まれた食物繊維」が特徴です。
その含有量は、きのこ類の中でもトップクラスです。
エリンギに含まれている食物繊維は、「不溶性食物繊維」といって、水に溶けない特性があります。
そのため、腸で届き、便秘予防に効果的です。
また、不溶性食物繊維は、胃の中で水分を吸収し膨張するため、満腹感を与えてくれます。
お通じの悪いワンちゃん、ダイエット中のワンちゃんにおすすめの食材です。
その他にも、血の巡りをよくするナイアシン、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも豊富に含まれています。
冷え性、骨の弱いワンちゃんにも、ぜひ食べてもらいたい食材です。
エリンギを与える時の注意点は、しっかり加熱調理をすること。
そして食べやすいよう細かく刻んであげること。
エリンギには独特の食感があります。噛むのが苦手なワンちゃんの場合、特に気を付けてあげてくださいね。
●梨
秋の果物の代表といえば、梨ですよね。8月~10月までが旬といわれています。
瑞々しく甘い梨は、ワンちゃんにも人気の果物です。
90%が水分でできている梨は、ワンちゃんの水分補給に役立ちます。
お水をあまり飲まない子、夏バテが残るワンちゃんにおすすめです。
梨に含まれるカリウムには、利尿作用と塩分(ナトリウム)を排出してくれます。
むくみ改善や血圧を下げる効果が期待できます。
梨にはタンパク質を分解する消化酵素「アミラーゼ」が含まれています。
ワンちゃんの食事はタンパク質がメインです。
アミラーゼが豊富な梨は、消化を助けてくれる頼もしい食材です。
また、梨に含まれるアスパラギン酸は、体内に滞ると有害物質になるアンモニアを体外に排出する働きが
あります。疲労回復効果が期待できます。
注意点としては、どんなにワンちゃんが喜んでも、「与えすぎない」ということです。
どんな食材でもそうですが、梨には食物繊維が豊富に含まれています。食べ過ぎると、下痢や嘔吐の原因
になるかもしれません。
また加熱することなく、生のまま食べさせるのがベストです。
ワンちゃんの健康に役立つカリウムは熱に弱いからです。
小さく刻んだ、すりおろしたものを食べさせてあげるといいですね。